お墓の由来についてはさまざまな説がありますが、ここでは一つの考え方をとりあげてみました。一般的に、お墓は仏様をお迎えして先祖をまつるところであるとされています。仏様をおまつりする石であることから、仏石(ぶっせき)とも呼ばれています。お墓にお参りするのは、仏様をお参りして、先祖に手を合わせるということです。
また、お墓とは、あの世とこの世をつないで、先祖や思い出の人とコミュニケーションをとれる場であるともいえます。私たち自身も、いつかは先祖の仲間入りをします。親がいて、その子供がまた親になり、その子供がまた親になって、つながれていきます。
先祖を敬う気持ちは、そのまま先祖のお墓を敬うことに通じるのではないのでしょうか。
墓石には、「○○家」や「○○家之墓」のように家名を刻むのが一般的ですが、仏教の宗派によっては、家名のほかに唱名、あるいは梵字などを刻みます。梵字は、インドの古代サンスクリット語を表記するための文字で、その一字一字が仏をあらわしています。日本の仏教では、特に空海、最澄によって伝えられた密教と深い関係があります。
墓石には、ご本尊である大日如来をあらわす梵字を刻みます。五輪塔には、空・風・火・水・地をあらわす梵字を上から刻みます。
宗祖:弘法大師 空海 本山:高野山金剛峰寺・仏頂山智積院・豊山長谷寺など 唱名:南無大師遍照金剛
墓石には、ご本尊である釈迦如来、あるいは阿弥陀如来をあらわす梵字を刻みます。五輪塔には、空・風・火・水・地をあらわす梵字を上から刻みます。
宗祖:伝教大師 最澄・
総本山:比叡山延暦寺 唱名:南無阿弥陀仏
墓石には、ご本尊である阿弥陀如来を表す梵字を刻みます。五輪塔には、南無阿弥陀仏と刻みます
宗祖:法然上人 総本山:知恩院 唱名:南無阿弥陀仏
墓石の正面に南無阿弥陀仏、あるいは倶会一処と刻みます。家名は向かって右の側面に刻みます。
宗祖:親鸞聖人 総本山:西本願寺(本願寺派)・東本願寺(大谷派) 唱名:南無阿弥陀仏
墓石の頂部に、○(円相)を刻みます。南無釈迦牟尼仏と刻む場合もあります。五輪塔には、空・風・火・水・地と上から刻みます。
宗祖:高祖 道元禅師・太祖 瑩山禅師 大本山:永平寺・総持寺 唱名:南無釈迦牟尼仏
墓石の頂部に、○(円相)を刻みます。南無釈迦牟尼仏と刻む場合もあります。五輪塔には、空・風・火・水・地と上から刻みます。
宗祖:臨済義玄・明庵栄西(日本での開祖) 本山:建仁寺・円覚寺など 唱名:南無釈迦牟尼仏
墓石には、南無妙法蓮華経と刻みます。墓石の頂部に妙法とだけ刻む場合もあります。五輪塔には、妙法蓮華経と刻みます。
宗祖:日蓮大聖人 総本山:身延山久遠寺 唱名:南無妙法蓮華経